大紀元時報

<オピニオン>誰が選挙の信頼を回復できるのか

2021年3月2日 11時13分
2005年6月13日、ワシントンの連邦最高裁判所(Mark Wilson/Getty Images)
2005年6月13日、ワシントンの連邦最高裁判所(Mark Wilson/Getty Images)

昨年の米大統領選を巡って、連邦最高裁はペンシルベニア州における選挙規則の変更は違法とする訴訟を却下した。原告の主張は明確で、非常に根本的な問題である。将来の選挙に影響を及ぼす可能性を考えれば、最高裁が訴えを退けたことは注目に値する。簡単に言うと、最高位の判事たちは職務を放棄したのである。

この訴訟は、「誰が選挙規則を作るのか」という問題を提起した。州議会か、あるいは判事や選挙委員会を含む立法の権限を持たない人たちなのか。憲法に照らせば答えは前者のようだ。憲法は、州議会が「国会議員選挙の時、場所、投票方法を決定する」と規定している。

しかし、ペンシルベニア州はそれに同意していない。同州では州議会が選挙日の午後8時という明確な期限を設けたにも関わらず、州最高裁は期限を3日延長し、投票用紙が選挙日までに郵送された証拠(消印など)がなくても投票用紙を集計するよう命じた。

連邦最高裁のクラレンス・トーマス判事は最高裁の決定に不満を表明している。

「今回の訴訟は、州議会以外の機関が選挙規則を制定する権限について明確にする理想的な機会である。これを拒否するとは不可解だ」

全くその通りである。選挙で選ばれた州議会議員以外の当局者がいつでも規則を変更できるなら、たとえそれが合理的で、違法行為を助長しなかったとしても、選挙プロセス全体が腐敗してしまう。

最高裁は「誰が選挙規則を作るのか」という重大な問題に対する判断を放棄した。アメリカ人には、もはや投票の正当性や公平性を確保できる場所が残っていないのである。

現在、米議会はペンシルベニア州と同様の怪しい選挙規則を全国で導入しようとしている。大量の郵便投票、第三者による票の回収(ballot harvesting)の推進、検証基準の緩和、選挙期日後の投票用紙の受け入れ、などの法案である。しかし、昨年の大統領選で膨大な不正の告発があったのは、まさにこれらの怪しい規則が原因であり、少なくとも不正が起こりやすい環境を作ったことは確かである。ちなみに、バイデン政権は同法案に対する支持を表明している。

一方、言論界をほぼ独占する主流メディア巨大IT企業も共犯である。彼らは選挙不正に関する告発に興味を示さず、ソーシャルメディアは選挙の合法性を疑問視する投稿を積極的に検閲した。1月6日の国会議事堂乱入事件は、選挙不正の問題から人々の目を逸らし、それを問うことさえ許さないという空気を醸成した。

共和国における政府は有権者の同意に基づいており、有権者は投票によってその同意を示している。投票の正当性は、憲法に由来する制度全体の正当性を支えている。人々が投票の正当性に疑念を抱き、それを問うことさえ否定されるなら、政府の制度全体がその正当性を失ってしまう。

トーマス判事は次ように指摘する。

「選挙法を疑惑のベールに包まれたままにしておくという決定は不可解だ。何もしないことによって更なる混乱を招き、有権者の信頼をさらに低下させてしまう。アメリカ国民はもっと良い措置を受けるべきだし、もっと多くのことを我々に期待している」

審議中の法案が議会で可決されたら、アメリカは以前の選挙システムから更に遠ざかる。選挙日に投票所へ行き、身分証明書を見せて投票するというシステムから離れれば、選挙への信頼はさらに失われるだろう。

誰が我々の一票を守り、選挙システムの信頼を回復できるのか。これが今の我々に残された唯一の問いである。

(文・Ben Weingarten/翻訳編集・郭丹丹)


執筆者:ベン・ウェインガートン(Ben Weingarten)

クレアモント・インスティテュートのフェロー。エドマンド・バーク・ファウンデーションThe NatCon Squadの共同司会者。

※寄稿文は執筆者の見解を示すものです。

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